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二十歳の原点 [新装版] 単行本(ソフトカバー) – 2009/4/15

4.4 5つ星のうち4.4 35個の評価

本書は1970年代に若者たちの間でベストセラーとなった高野悦子著『二十歳の原点』三部作の『二十歳の原点』新装版です。二十歳と6か月で、その生涯を自ら閉じた著者が最後に過ごした半年間を克明に綴った日記です。若さゆえのさまざまな悩みを抱え、つねに自分自身に問いかけ、自己に求め続けたその姿は、時代を超えて、私たちの胸を打たずにはいられません。痛々しいまでの純粋さとは、普遍性を持った文学的なテーマであることを思い出させてくれるはずです。
新装版は、当時の時代背景を知らない世代にも読みやすいように一部脚注を付しています。また、著者が実際に日記を綴っていた大学ノートが横書きであったことを考え、より“個人の日記”という雰囲気を感じていただくために横書きの文字組デザインに変更しています。
帯の推薦文は「やっぱり好きなんだと思う。自分が空っぽになるくらいに泣いたから。――佐藤江梨子」。

商品の説明

著者について

栃木県那須郡那須野町(現 那須塩原市)生まれ。宇都宮女子高を卒業し、立命館大学文学部史学科へ進学。社会・政治に関心を持ち、やがて学内バリケードに入るなどの活動を経験。しかし大学3年進級後の1969年6月24日未明、鉄道自殺を遂げる。
中学生時代から書き続けた日記が、『二十歳の原点』(1971年)、『二十歳の原点序章』(1974年)、『二十歳の原点ノート』(1976年)として新潮社より出版され、ベストセラーになった。著者・高野悦子は“日本のランボー”とまで評価されるにいたった。「独りであること、未熟であること、これが私の二十歳の原点である」という一文が響き渡り、1970年代を生き抜いた若者たちにとっては「青春のバイブル」となった。

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ カンゼン; 第1版 (2009/4/15)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2009/4/15
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本(ソフトカバー) ‏ : ‎ 224ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4862550320
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4862550323
  • カスタマーレビュー:
    4.4 5つ星のうち4.4 35個の評価

著者について

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高野 悦子
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カスタマーレビュー

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思わず..強くだきしめたくなるような書!!
5 星
思わず..強くだきしめたくなるような書!!
初版本以来,数年ぶりに精読しました者のレビュ-です。高野さんの書は新潮社の文庫本が初めで,出逢ったのは数十年前の私が10代の頃でした。当時はずっとお姉ーさんの日記,というイメージで,歳を経て今読み直してみるに,私はテレ「照れ」てしまいました。若い頃は分らなくとも,高野さんはとてもチャーミングな女性でそしてエロティックな女性です”汗”。現代にも通底する女性の先駆者と云っても過言でないかもしれない。親父の年代になって改めて読むと,こんな内実真摯な女性だったら,今の時代でも肉迫されたら?相当やばいかも?と?ヨコシマな?妄想?wでとてもとても,魅力的なひとだったに違いありません。それに気がついて照れてしまう自分がいます。それほど彼女は,自身のウソ(日記そのもの)にも敏感で,鋭く内面を抉り,自身を露呈するのです。時代こそあれですが,新潮社の文庫など,未だ静かに燃え,売れ行きは衰えず,300万部を越え,日本の日記(奇特な書物)の中ではダントツで異例とか・・改めて読み,その意味,うなずけました。まず時空を越え普遍性があります。当時の時代はともかく,彼女の訴求していたものは今の時代も同じでしょう。今を生きる女性のバイブルとなっても過言ではないと,感じました。彼女の死は切ないですが,書は距離と時間を越え,私達に肉薄してきます。セクトやストや内ゲバだの,自己批判やら総括やら革命やら赤軍やら,マルクス主義など等,若い女性は読み飛ばしちゃって全然構わない,って思います。この書は高野さんの内面と私達との,時間を越えた対面(対峙)だからです。一部では彼女を,大学デビューだの,勉強もろくすぽしてないお嬢の悪あがきだのとのご意見もあるようですが,少なくともナチュラルに彼女の書を読めば,それが全く真逆様相を呈している事をご理解頂けるかと思います。本著は,値段は文庫版(新潮社)より高価ですが,買うカチがあります。紙質も良く,制作者側の意欲が反映されており,好印象です。彼女が鉄道自死し,半世紀が経ちました。当時の彼女の問題提起は,何一つかわって,いない。若い世代の方・・高い精神性の高野の書を得る機会を得られた方は,既に特異性とある特権を既に持って生まれてきた方かもしれません。私の時代は紙媒体がメインで言うに及ばずですが,この現代で書を知り,手に取られる若い世代の方は希有な存在です。希有とはいえ,しかし,静かに燃えるように,部数(読者)を伸ばし続けているのです。哀しいとき,嬉しいとき,ふと思い立ったらぱらぱらめくって飛ばし読みしてみるといいです。まるで喫茶店で親友と話してるみたいに,あなたの心をほんのり包んでくれる筈です。とてつもなく包容力ある書です。未だ50年前の書かれた日記とは到底思えませんね。ホンモノは時間を超越する,という事の証でしょうか。日本の出版社の気鋭が生んだ,異端な,これは奇跡的な書です。お勧めです。
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上位レビュー、対象国: 日本

2018年10月14日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「二十歳の原点」というよりは、「二十歳が原点」なのかなと。
シリーズ3冊を読了し感じたことは、中学生時代から大学生まで、自分の居場所を求めて彷徨っていた著者は、悲しいかな、最後の居場所として自死を選んでしまったこと。友達も少なからず居た。家は憩いの場と記し、学校や部活、サークルにも所属していたものの、孤独感に苛まれ、安らげる居場所を「恋人」に求めるも叶わず。
若さ故の不安や焦り。多くの人が感じることだけれど、著者にとってはとても辛かったのだろう。酒量や煙草の本数が増えたことが、もの悲しい。
もし恋人がいたなら、まだまだ生きようと思ったのかもしれない。
4人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2021年3月31日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
1970年代にベストセラーとなった高野悦子さんの「二十歳の原点」に軽い衝撃を受けました。時代背景があまりにも違いますが、今読んでものめりこめました。 しかし、「闘争」の意味が理解出来ない所が多々ありました。特に5月28日の「大学当局へのたたかい」自分が大学生にも関わらず「大学の解体」? 5月26日に好意をもつ中村から「カッコは自分を見失っているのではないか」と言われていますが、自分も強く同意します。6月には一時的に精神病院に入院をさせるような状態ではなかったのでしょうか?「闘争」「デモ」「集会」「バリケード」…「旅にでよう」そして永遠の旅へ
3人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2018年4月9日に日本でレビュー済み
初版本以来,
数年ぶりに精読しました者のレビュ-です。
高野さんの書は新潮社の文庫本が初めで,出逢ったのは
数十年前の私が10代の頃でした。
当時はずっとお姉ーさんの日記,
というイメージで,歳を経て今読み直してみるに,
私はテレ「照れ」てしまいました。

若い頃は分らなくとも,高野さんはとてもチャーミングな女性で
そしてエロティックな女性です”汗”。
現代にも通底する女性の先駆者と
云っても過言でないかもしれない。

親父の年代になって改めて読むと,
こんな内実真摯な女性だったら,
今の時代でも肉迫されたら?相当やばいかも?と?ヨコシマな?妄想?wで
とてもとても,魅力的なひとだったに違いありません。

それに気がついて照れてしまう自分がいます。
それほど彼女は,自身のウソ(日記そのもの)にも敏感で,
鋭く内面を抉り,自身を露呈するのです。

時代こそあれですが,新潮社の文庫など,未だ静かに燃え,売れ行きは衰えず,
300万部を越え,日本の日記(奇特な書物)の中ではダントツで
異例とか・・改めて読み,その意味,うなずけました。

まず時空を越え普遍性があります。
当時の時代はともかく,彼女の訴求していたものは今の時代も同じでしょう。

今を生きる女性のバイブルとなっても過言ではないと,感じました。

彼女の死は切ないですが,
書は距離と時間を越え,私達に肉薄してきます。

セクトやストや内ゲバだの,自己批判やら総括やら革命やら赤軍やら,
マルクス主義など等,若い女性は読み飛ばしちゃって全然構わない,って
思います。

この書は高野さんの内面と私達との,
時間を越えた対面(対峙)だからです。

一部では彼女を,大学デビューだの,
勉強もろくすぽしてないお嬢の悪あがきだのとのご意見もあるようですが,
少なくともナチュラルに彼女の書を読めば,
それが全く真逆様相を呈している事をご理解
頂けるかと思います。

本著は,値段は文庫版(新潮社)より高価ですが,買うカチがあります。
紙質も良く,制作者側の意欲が反映されており,好印象です。

彼女が鉄道自死し,
半世紀が経ちました。

当時の彼女の問題提起は,
何一つかわって,いない。

若い世代の方・・
高い精神性の高野の書を得る機会を
得られた方は,既に特異性とある特権を既に持って
生まれてきた方かもしれません。

私の時代は紙媒体がメインで言うに及ばずですが,
この現代で書を知り,手に取られる若い世代の方は
希有な存在です。

希有とはいえ,しかし,静かに燃えるように,部数(読者)を伸ばし続けているのです。

哀しいとき,嬉しいとき,ふと思い立ったら
ぱらぱらめくって飛ばし読みしてみるといいです。

まるで喫茶店で親友と話してるみたいに,
あなたの心をほんのり包んでくれる筈です。
とてつもなく包容力ある書です。

未だ50年前の書かれた日記とは到底思えませんね。
ホンモノは時間を超越する,という事の証でしょうか。

日本の出版社の気鋭が生んだ,
異端な,これは奇跡的な書です。

お勧めです。
カスタマー画像
5つ星のうち5.0 思わず..強くだきしめたくなるような書!!
2018年4月9日に日本でレビュー済み
初版本以来,
数年ぶりに精読しました者のレビュ-です。
高野さんの書は新潮社の文庫本が初めで,出逢ったのは
数十年前の私が10代の頃でした。
当時はずっとお姉ーさんの日記,
というイメージで,歳を経て今読み直してみるに,
私はテレ「照れ」てしまいました。

若い頃は分らなくとも,高野さんはとてもチャーミングな女性で
そしてエロティックな女性です”汗”。
現代にも通底する女性の先駆者と
云っても過言でないかもしれない。

親父の年代になって改めて読むと,
こんな内実真摯な女性だったら,
今の時代でも肉迫されたら?相当やばいかも?と?ヨコシマな?妄想?wで
とてもとても,魅力的なひとだったに違いありません。

それに気がついて照れてしまう自分がいます。
それほど彼女は,自身のウソ(日記そのもの)にも敏感で,
鋭く内面を抉り,自身を露呈するのです。

時代こそあれですが,新潮社の文庫など,未だ静かに燃え,売れ行きは衰えず,
300万部を越え,日本の日記(奇特な書物)の中ではダントツで
異例とか・・改めて読み,その意味,うなずけました。

まず時空を越え普遍性があります。
当時の時代はともかく,彼女の訴求していたものは今の時代も同じでしょう。

今を生きる女性のバイブルとなっても過言ではないと,感じました。

彼女の死は切ないですが,
書は距離と時間を越え,私達に肉薄してきます。

セクトやストや内ゲバだの,自己批判やら総括やら革命やら赤軍やら,
マルクス主義など等,若い女性は読み飛ばしちゃって全然構わない,って
思います。

この書は高野さんの内面と私達との,
時間を越えた対面(対峙)だからです。

一部では彼女を,大学デビューだの,
勉強もろくすぽしてないお嬢の悪あがきだのとのご意見もあるようですが,
少なくともナチュラルに彼女の書を読めば,
それが全く真逆様相を呈している事をご理解
頂けるかと思います。

本著は,値段は文庫版(新潮社)より高価ですが,買うカチがあります。
紙質も良く,制作者側の意欲が反映されており,好印象です。

彼女が鉄道自死し,
半世紀が経ちました。

当時の彼女の問題提起は,
何一つかわって,いない。

若い世代の方・・
高い精神性の高野の書を得る機会を
得られた方は,既に特異性とある特権を既に持って
生まれてきた方かもしれません。

私の時代は紙媒体がメインで言うに及ばずですが,
この現代で書を知り,手に取られる若い世代の方は
希有な存在です。

希有とはいえ,しかし,静かに燃えるように,部数(読者)を伸ばし続けているのです。

哀しいとき,嬉しいとき,ふと思い立ったら
ぱらぱらめくって飛ばし読みしてみるといいです。

まるで喫茶店で親友と話してるみたいに,
あなたの心をほんのり包んでくれる筈です。
とてつもなく包容力ある書です。

未だ50年前の書かれた日記とは到底思えませんね。
ホンモノは時間を超越する,という事の証でしょうか。

日本の出版社の気鋭が生んだ,
異端な,これは奇跡的な書です。

お勧めです。
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17人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2020年4月16日に日本でレビュー済み
この高野悦子著『二十歳の原点』は、大学生だった頃に、当時ぼろぼろだった古本屋の本棚から見つけて読んだ。
今回新装版になったということで、改めて手に取ってみた。

時代の空気が切実である。
不幸にした高野さんの死は、様々な憶測を、友人から熱く聞かされたが、それにしても短い人生を熱っぽく情熱を燃やして駆けたことだと思う。

今の時代が、不幸だと決して思わないが、昭和という時代に有っても、学生運動に置いても、その容から漏れ落ちるようにして、生きた情熱が伝わって来る。

高野さんにとって、学生運動も恋愛も初期の頃から、その有り余る情熱と愛憎を受け止めきれなかったのでは、ないかと未熟な読者ながら思った。

作家の北方謙三が、何かの本で、「十年後に残るような熱さを伝えたかった」という意味の事を書いていたが、そのような意味で、この『二十歳の原点』は、時代に屹立する書物だと思う。

あらゆる時代の二十歳の模索する精神に取って、生涯意味のある本だと思う。
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2009年10月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
 この本を文庫本で最初に読んだのは,今から35年ぐらい前だったでしょうか。当時は同じ京都の大学に通っていた学生として,作品の中に取り上げられた場所の記述に共感を覚え,一気に読んでしまい,とても哀しく,切ない気持ちになったのを覚えています。今回の新装版は,当時の時代背景を理解しやすくするために,日記にでてくる言葉に脚注を付し,著者が遺した大学ノートの体裁にあわせ,横書きの文字デザインにし,ずいぶんと読みやすく体裁になっています。巻頭にある著者の笑顔のモノクローム写真も印象的です。
 当時ベストセラーとも言われましたが,この本の反響を,著者自らは知ることはありません。著者は20歳の大学生で,京都の下宿近くで深夜、貨物列車に飛び込み亡くなられてしまいました。彼女の死後,下宿に遺された日記の一部がこの本になりました。生きておられれば,もう60歳の還暦を過ぎています。今でも,この『二十歳の原点』は,瑞々しい詩的なリズムの文体で、ぐいぐいと心の襞を揺さぶってきます。「『独りであること』,『未熟であること』,これが私の二十歳の原点である」は,時代背景こそ違え,今でも多くの同世代の「原点」に訴える力があるに違いありません。
 確かに,彼女は純粋すぎたかもしれません。稚拙な部分があったかもしれません。それでも生きていてほしかった。もっと自分以外の言葉にも心を開いていたら,そして自分を締め付けない言葉と,もっとたくさん出会っていたら,『独りであること』,『未熟であること』から逃れられる出口が見いだせていたかもしれません。今でも、その若すぎる自死が惜しまれてなりません。
 今回の新装版には,かつての文庫本にはなかった,著者の父親(故人)の『失格者の弁』が掲載されています。今やその当時の父親と同年齢になり,奇しくも著者と同じ大学に入学した娘を持つ親となってしまった身としては,その痛切な言葉の数々に、身のひき裂かれる思いがつのります。
 20歳の人たちばかりでなく,大学生の娘を持つ父親にも,是非手にとってもらいたい本です。
 
57人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2017年4月28日に日本でレビュー済み
 破滅型の私小説において、始まりは実生活を小説にしていたものが、逆に小説にするために実生活が破たんしていくということがあるようで、客観的な事実を淡々と記録する形の大人の日記ではなく、特に十代後半の感情が中心になっている日記では同じことが起きることがあるのだと思う。実ははるか大昔の同じような年齢のころ作者を真似て同じタイプの(質は比べられないぐらいに劣るのだが)日記を書いていたことがあり、私もそういった経験をした。
 また日記を書くために劇的な現実に近づこうとすることのほかにそれに加え、子供のころから育ててきた理想的な観念が、この年代に来ると厳然としてある主に性的現実が明らかになっていくにつれて、幻滅というかたちで徐々に崩壊し、本来ならばその崩壊した観念と現実の混沌の中で肉体を優先した再生が自然に行われるべきなのに、擬人化されるぐらいに日記の影響が強いと、反対に観念が肉体を死に至らしめることがあるようにも思う。
 しかしこう書いてみるとこのようなことは何もこの年代、日記のあるなしにかかわらず起こることで、そもそも自殺とは根本的にすべてそうではないかとも思えてくる。日記はそうした過程を時間的、事象的にかなり明確に示すということにとどまるのかと、上述したことを早くも訂正する必要がでてくる。
 そのような残酷な経過がこの本にはあり、作者を真似ていたころは自分にその経験がなく。この本の暗さが何とも言えず不可解で嫌いで、むしろこの本の前の時期にあたる『序章』が好きだった。それは人生が始まる前の期待感、それは不安とともに前向きな明るい希望の時期を表している。
 いま読み返してみると逆に序章よりこちらの方が圧倒的に面白い。これは自分が同様な経験を通過したからである。そして崩壊した子供の観念を何らかの成熟した包括的観念に再生させることに成功したのかどうかも分からずに、それがガラクタの形で転がったままなのを感じるからなのだろう。
10人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2010年1月29日に日本でレビュー済み
我々の青春時代、『二十歳の原点』はベストセラーになりました。今の方が読まれても、その時代背景と心情に乖離があり、なかなかうまく理解していただけないかも知れませんが、まさしく「青春の書」でした。 新装版になり、横書きを取り入れ、脚注をつけるなど読みやすくなり、雰囲気もでています。

高野悦子さんは、当時立命館大学史学科の3回生で、彼女が最後まで綴っていた日記を本にしたものです。「二十歳」の時に鉄道自殺をして、短い人生を終えました。「孤独感」「挫折感」というキーワードに共感したものです。「未熟さ」はまさしく私も共有していましたから。

同世代だった当時と40年が経過した今とでは時代背景も変わり、何より自分が年を取りました。彼女が関わった「学生運動」の総括もできていないまま大学は現在も存在しています。一応進歩したように見えますが、本質はどうなのでしょうか。学生運動の成果はあったのでしょうか。

彼女が選択した「自殺」というのは、いつの時代もどんな状況でも他人には理解できないものです。彼女の親の世代になってしまった訳で、子に先立たれる親の悲しさを感じてしまいました。不幸なことです。自分の人生を最期まで全うすることの大切さを彼女に伝えたかったと思っていますし、その行間から彼女の孤独感が今感じられます。

この本を読もうとしている皆さんの「二十歳の原点」とは何なのでしょうか。「青春」という捉え所のない言葉をどのように感じてられるのでしょうか。
26人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2020年4月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
大変良い本をありがとうございました🙇‍♂